腰痛!
小林さんという方から電話がきた。「さっきビールのダンボールを持ったときにぎくっときたので,近くの整体に行ってマッサージしてもらいましたが,全然良くなりません。鍼は有効ですか?」
私「小林さん、たぶんそれは軽いぎっくり腰でしょうね。
そもそもぎっくり腰は物を持ち上げたり、かがんだりした拍子に突然痛みが走り、動けなくなる急性腰痛の状態のことを言い、痛みが猛烈に出て来る時があります。
その様な時は無理に動かさず、(と言う事は,直後のマッサージ等の刺激は余り良くない)1、2日安静にしていれば痛みが減ってきます。
普通痛みは直後より、しばらくしてからとその翌日にかけてピークを向かえます。
筋肉は炎症を起こしていますので、温めずに氷などで冷やし、楽な状態で安静を保ちます。
当院の治療としては、ぎっくり腰を起こした直後の筋肉は異常な緊張状態にあるので、鍼と超音波でまずこの緊張を緩めていき、基本的な構造の歪み(骨盤の歪み)があればそれを正していくことが治療の基本ですので、腰痛体操もお教えしていきます。」
小林さん「先ほど整形外科に行き、痛み止めの軟膏と湿布それに飲み薬をもらってきました。
レントゲンを撮ったら,若干椎間板が狭くなっているが、まあ大した事は無いでしょうと言われ、たぶん筋筋膜性腰痛だか何とかと言っていました。それ以上の説明はありませんでしたが、筋筋膜性腰痛ってなんですか?
飲み薬を飲んだら痛みはだいぶ楽になりました。」
私の答え
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小林さんへ(筋・筋膜性腰痛について)
色々な原因によって腰痛が起こりますが、原因として特に多いのが「筋・筋膜性」のものです。
腰の周りの筋肉で重要な役割を果たしているのは腹筋(カラダを前に倒す働き)と背筋(後ろへ反らす)です。
この二つの筋の力がうまく前後でバランスをとることができれば、正しい姿勢で“カラダ”を起こしていられるのですが、いったんこの力関係が崩れると、腰椎の弯曲の度合いが反りすぎたり真っ直ぐになりすぎたりで、筋肉も片方にストレスがかかり、過緊張となり疲労性の炎症が起きてしまうのです。
ではどの様に治療したら良いのかと言いますと、
脊柱起立筋を傷めた場合は、傷めた直後は炎症を抑えることが先決ですので、アイシング(傷めた局部を冷やす)をします。起立筋は背中を反らす、後ろへ倒す働きがあり、傷めれば当然出来ません。
それをゆるめる目的でハリ、マッサ-ジをします。傷めた場所は筋力が他の筋肉より弱い、もしくは同じ筋肉が極端に日頃負担をしいられていると言えます。
痛みがなくなってきたら、すこしずつ背中、脚の筋肉、をつけるための補強しないとたぶん近いうちに再発するでしょう。
つまり腰椎を表裏からサポ-トしている脊柱起立筋、腹筋はもちろん、脚の筋肉である大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋、すねの前脛骨筋など全体の筋肉を鍛えながら、表裏のバランスを整えていく事が重要となります。
余り慌てずに徐々にリハビリの運動しながら治していって下さい。お大事にどうぞ。
もう少し、ぎっくり腰の予防について記したいと思います。
「ぎっくり腰」の予防としては、座る時は、「あぐら」をかかない様にしましょう。
立ち仕事の時は、前かがみにならない様に、15cm位の高さの踏み台に交互に片足を置く様にして腰の負担をとりましょう。
物を持ち上げる時は、腰を前かがみにせず、膝を使って持ち上げましょう。
高いところの物を出し入れする時は、背伸びをしなくてもすむ台に乗り作業をしましょう。