脊柱管狭窄症が鍼で治りますかとメールで質問を受けた
		背骨には神経の通り道である脊柱管と呼ばれる空間があります。
		長い年月、背骨は体を支え続けたため、脊柱管がだんだん変形し狭くなってきます。
		脊柱管が狭くなると、そのなかを走っている神経が圧迫されて、坐骨神経痛のような下肢の痛みやしびれ、力が抜けるような麻痺が発生します。
		また時には残尿感、便秘などの症状が現れることもあります。坐骨神経痛様の症状は、安静時には全く症状が無く、歩き出すと痛みやしびれがでて歩くことができなくなり、一休みすると楽になるということを繰りかえします。
		これを「間欠跛行」呼びます。
		鍼灸治療で、直接背骨の内部に鍼をアプローチさせるのは物理的に不可能です。
		ですから残念ながら鍼灸では痛みがましになる程度で、治ることはないでしょう。
		もちろん、薬でも治りません。
		物理的に脊柱管を広げるには手術しかありません。
		しかし、症状にもよりますが、この手の症状は投薬や物療を含めた保存療法が一般的で、どこの整形外科医もすぐには手術はしません。
		(膀胱や直腸などに障害がおよび排便、排尿障害がある場合は手術した方がよいです)
しかし、脊柱管狭窄症の代表的症状であるしびれや麻痺の原因を、「狭窄」にだけにとらわれずに、むしろ神経圧迫後の血流障害が背景にあると捉えるようにし、つまり、神経はただ通り道が狭くなるだけではあまり神経症状が現れず、神経を栄養している血液の流れが阻害されて、初めて神経伝達に異常が現れるということを考えると、その血流を鍼灸刺激で良くすることを治療の目的にすることで、より症状が改善していくことは確かです。
		鍼灸治療では痛みやシビレの軽快に役立ち、飛躍的に日常生活の質が向上する方もいらっしゃいます。
		もし鍼灸治療を行うならば、現在行っている治療にプラスして行ったほうがよろしいと思います。


