株の空売りで大損の経験
実は10年半前に株の空売りで大損したことがある。
その時の反省文が克明に残っているので、自戒の意味も兼ねて記してみたいと思う。
2004年3月26日に六本木ヒルズの開店扉で子供が挟まれて死亡した痛ましい事故があった。
あの時開店扉を造っていたのが三和シャッターであった。
通常なら株価は暴落するはず。 事故前までは614円の順調に上昇中だった株価だが…。
阿呆な私は朝寄付きで空売りしておいたのだが…。
3月26日の事故の前までは、機関投資家は個人投資家の大幅売り残を逆手に取り、狼狽買い戻しにより株価を上昇させようと目論んでいたが(ここの株は浮遊株比率が低いので,個人は機関の餌食になり易い)事故により今度は579円の寄り付きに空売りしてきた個人投資家に対し機関はそんな甘いもんじゃないと買支えに入った。
そして今の世間の状態からすると,時間をかけて個人の諦めを誘い,個人の利益を吸い上げていく作戦にでた。
ただ614円から579円という狭いゾーンなので,機関もこの中で利益を上げる事が難しくなってきたところだろう。
4月をワンスパンと考えて,機関も実際はこの株の今の適正は500円位だとは解っているので、まずは580円くらいまでジリジリと株価を下げて売り残を減らしていき,4月10日過ぎに若干株価を上昇させ、最後まで粘っていた個人の売り残を放出させ、なおかつ空買いをも誘い2~3日様子を見る。空買いが増えたところで今度は機関が売りに入って自分だけ儲けていくパターンをとるものとその時に推測した。
要は会社の金で個人の逆をうって個人の利益を食い物にしている機関に,汗水たらして働いて株式投資している個人投資家は裸にさせられ餌食になっているという訳だ。
2日目はー1円でひけた。
株式ニュースで<追跡・話題株>三和シヤッターが3日続落とあったが、2日目はたったのー1円で上手く続落にしたて、世間の波風を立てない様に株価を操作した感じ。
いくらなんでも値上がりしたら世間が驚くというものだ。
それにしてもたったー1円なのに3日続落とうたう株式ニュースの神経も疑いたくなる。
社会的制裁が必要な今なのに、株価を操作して世間を欺くダーティな証券業界は本当に恐れ入るし、信じられない世界という感じだ。
で…、ギブアップして損切りして撤退した個人が増えるにつれ,段々と本来の動きになってきて3日目はー4円の600円でひけた。
3月最終日に私は損切りして大損したあと、次のように推測して記している。
次月の4月に入ると機関投資家としては579円をひとつのボーダーラインと置いて、579円で空売りした個人の利益を吸収していくだろうが、たぶん4月10日頃に579円を割ると,機関投資家も売り始め,4月末には,619円の2割落ちの496円位で底を見るのではないだろうか?
で結果的には、はたしてだいたいその様に推移していったのであるが、株を手放すと実に冷静に分析できるものなのだが、株を手にすると、儲けたい、損したくないという心理が強烈に作用するから、冷静に分析するなんて事は全く出来なくなってしまうものなのである。
だから『株は怖い』ということなのであろう。