●●『病は気から…』●●
●●『病は気から…』●●
心理的要因がぜん息発作と関連することを示す好例として、バラの花粉で喘息発作を起こす婦人に造花のバラを見せたところ発作が誘発されたという有名な報告がある。
19世紀アメリカの内科医マッケンジーの症例として「造花のばらを使ったいわゆる『バラ花粉症』の発病」の逸話だ。
どんな症例かというと、ある女性が15年間5~9月の激しいアレルギー性鼻炎と夏の終わり頃に起きる喘息発作に悩まされていた。
色々な刺激(恐怖や過労、興奮、夜風にあたるなど)が発作の引き金になって発作が起こった。
特に干し草やバラの臭いに敏感だったそうだ。
この患者に治療が良くなりかけた時に、内科医マッケンジーは本物とそっくりの造花のバラを幕の後ろから出して、手に持って彼女の前に腰かけた。
すると5分もしないうちに彼女は完全な鼻アレルギーを起こしたそうだ。
『実はこのバラは造花なんです』というと、彼女はひどく驚いて、自分で確かめ、激しいくしゃみをしながら帰っていったそうだ。
2~3日してまた来院した時に今度は本物のバラの花を出し、匂いをかぎ、花粉を吸い込んでもらったが、症状はでなかったそうだ。
この症例は、病に心理的要因が関与していることを如実に示している。
一般に喜び、悲しみ、怒り、不安などの感情が高ぶると呼吸が速くなって、過換気発作を起こしたり、気道の狭窄を起こすことがある。
ストレスが続くと自律神経やホルモンのバランスが崩れて身体にさまざまな影響が出るが、気管支の収縮は緊張に傾く。
心理的・社会的ストレスの中では、愛情欲求が満たされない時、自分では対処・解決できない問題に直面した時、生活リズムを崩されるような時、ゆとりのない生活を強いられた時などに生じる情動は、喘息の発症に関係すると言われている。
喘息の増悪は、また発作が起きるのではないかという予期不安、社会から落伍してしまうのではないかという不安、もう治らないのではないか悲観による抑うつ、周囲の無理解に対する不満、怒りが原因になっていることもあるそうだ。
病がこうした心理的ストレスが関係して発病している事は考えている以上に多々あるものなのである。
実際、精神というか気持ちが肉体つまり身体を支配していると感じる事が多々ある。
出来ると思ったら、出来るし、やれると思ったらやれる。
逆に出来ないと思ったら出来ないし、やれないと思ったらやれない。
これって人生において全ていえる感じ。(ランニングでも同じ事が言える)
つまり気持ちが肉体を引っ張っているというか、コントロールしている感じ…。
だからやっぱり『病は気から…』ってことなんだろう。