ランナーには、怪我、故障はつきもの。
ちょっと痛いとか,違和感があるなんて当たり前。逆にそこまでやらないとというか、追い込まないと強くなれないし…。
整形外科に行くと、『しばらく安静』とか『痛みが消えるまでは,走るのは止めましょう』と言われるのがオチですよね。
でも、そんな事言われたって、走りたいですよね。走らないとイライラするというか,ストレス溜まってきますよね。
我慢して絶対に走らないと決めた事は守る、そんな強い忍耐力無いですよね。だったら走って治しましょう。
人間の身体はそんなにヤワではありませんし、少し位痛くてもたいしたことないというか、大丈夫。人間の自然治癒力って思っている以上に凄いんです。
リハビリ・ランの基本ベースは、キロ7~8分のJOGです。これで痛みが強くなるようでしたら、歩くより少し早いくらいのキロ9分のJOGです。これでも痛いのならゆっくりと歩きましょう。
いくらなんでも激痛が出ているのなら余程の変態で無い限りは歩いたり走ったりはしないものですよね。
人間なんてそんなものです。本能的に大丈夫そうだからやるんです。痛くなったら、スピードを落とし、大丈夫だったらスピードを上げてみる。2歩進んで1歩下がりながらコツコツと焦らずに治していく。故障・怪我からの復帰ってそんなものだと思います。
「疲労抜きJOG」は、1,000mのMAXのスピードよりも2倍以上の遅い速度で行う事が大切。つまり患部に血液を廻して痛んだ患部を修復させる、大事なJOGなのです。
運動生理学の理論では、軽めの散歩や軽めのジョギングなどで酸素を取り込みながら全身の血液循環を良くしてあげる(全身持久力を高めてボトムをUPさせる、)ことが乳酸などの疲労物質を早く排泄し筋肉などの損傷部位を修復してくれる、としています。
つまりこれが有酸素運動の効果です。
スポーツ選手などが3勤1休などのサイクルで休養を取りながらトレーニングしているのは、ごく当たり前なんですが、これはトレーニングにより疲労・損傷した肉体の『超回復』を促しながら身体を強くしている大切なサイクルであって、プロのトップアスリートがグラウンドを「こんなんでトレーニングになるのか?」と思ってしまうようなトコトコ(チンタラ)走りをしているのには、実に深い意味があるということなんです。
つまり彼らは「練習が足らない事」よりも「練習のしすぎ」つまりオーバートレーニングによるコンディションの悪化を気にしているという訳なんです。
床掃除で例えると、ハァハァいうスピード練習をワックス掛けとすると、疲労抜きのゆっくりJOGとかLSDが、掃除機での掃除。
それよりちよっと速いハァハァいわない気持ちのよい走りが、雑巾掛けという感じですよね。
頑張り屋のランナーは、一番の基本の掃除機での掃除をせずに、雑巾掛けとワックス掛けを直ぐにしたがる傾向があります。
つまり、せっかちで直ぐに焦って走ってしまう。
そんなんでは、床が芯から綺麗になることはありません。
基本の掃除機での掃除が一番大切なんです。
※もう一度大切なので書きます。
疲労抜きJOGは、その時の体調によってスピードは全く変って来るのもです。
体調が良い時は速くなるし、悪い時は遅くなる。
睡眠不足や、飲酒明けの時や、ストレス等でイライラしている時は当然遅くなりますよね。
その体調時に、もし1,000mを全力で走るとして、走れるであろうタイムが一つの目安となります。
1,000mのMAXのスピードの約2倍位より遅いスピードが疲労が抜けて来易いと考えていけばいいでしょう。
つまり、その時の自分の1,000mのMAXが4分であろうと考えるランナーなら、8分より遅いスピードが疲労が抜けてくる目安なんです。
あと…走行距離でいうと、仮にトータル240キロとしたら、ハァハァ頑張る80キロがポイント練習、後の160キロはゆっくりと走って疲労を抜きながら地脚を造っていくということになります。
「走れば走った分だけ速くなる」というのは、走り始めた最初だけ。ある程度の体力がついてくれば、毎日同じペース、同じ距離を走るだけでは、体力は向上しません。
いつも同じ距離を同じペースで走っていると、徐々に距離・ペースに慣れて、楽に走れるようになりますよね。それは、身体がそのトレーニング負荷に適応したということ。
トレーニングを行って、しっかり休むことで、そのトレーニング負荷が楽になる。このように体力が上がっていく現象を「超回復」と言います。
なぜ、このような現象が起こるのか?それは、トレーニングというストレスが身体に加わることで、身体が「このまま同じ体力では、また同じように疲れるぞ…」と防衛反応が働くためです。
そのため、「次のときは疲れないようにしよう」と、休養している期間に筋力・持久力をアップさせ、エネルギーを効率よく使えるように身体を適応させるのです。
私のところには多くのランナー達から頑張って目標を達成して喜びの涙を流した感動の報告が届いています。
目標に向かって必死になって純粋に頑張った皆の気持ちに、こちらも沢山の勇気と感動を戴き、とても感謝しています。
そして、治療家として本当に嬉しい限りです。
サブスリーとか3時間15分切りをした人から聞くと、私の本の通りにやったら(本のことだけをやったら)出来たって言う人が圧倒的に多いようです。…
その人たちが、私の2冊目の本の「あとがき」を読んで、より目標に対して頑張ってチャレンジしたくなったって言ってました。
参考までに「あとがき」の部分を抜粋してみます→→→→
本書の第4章で紹介した市民ランナーのKAZUさんがサブスリーを達成したとき、私は本当にうれしくて涙が止まりませんでした。
私の患者さんとはいえ、当時52歳のおじさんだった私が、当時49歳のおじさんのサブスリー達成を心から喜び、感激し、ともに喜ぶことができた。そんな自分の意外な一面に気づかされ、驚いた瞬間でもありました。
他人のサブスリー達成に、なぜこんなにも感動できたのでしょうか。それは私とKAZUさんが、市民ランナーにとって大きな夢であるサブスリーに向かって、苦楽をともに挑戦してきた熱き同志だったからです。
3時間00分00秒と2時間59分59秒。このたった1秒の間には、気が遠くなるほど大きな壁があります。この壁を越えようと過酷な道をひた走ってきたKAZUさんとの日々は、忘れられません。
KAZUさんだけでなく、サブスリーに挑む市民ランナーたちには、一種の〝神々しさ〟さえあります。本書では、こうした伝わりにくい情緒的な面の表現に苦労しました。ここを表現することにより、本書のタイトルにある「ゆっくり走れば」という主眼が伝わると思ったからです。
サブスリーの道中は、はっきり言ってつらいです。これ以上走ったら命にかかわってしまうのではないかと思うほどの苦しみと戦い続けます。日常生活とかけ離れた感覚を味わいながら、それでもゴールを目指すのです。
これまで何度も何度もサブスリーに挑戦したものの、もう少しのところで叩きのめされてきた市民ランナーの方々は多いでしょう。そういう方々は本書でも述べたとおり、練習方法にも問題がありますが、一方でメンタル面でも課題があるかもしれません。
一人でも多くのそんなランナー仲間に、サブスリー達成の震えるような感動、至福の境地を味わってもらいたい。そんな思いで本書を綴りました。
練習は、自分の目標、たとえばサブスリーという目標に対して「点」ではなく「線」で捉えていくものです。その日の練習が、目標達成のためにどんな意味のある練習かを意識しなければ効果は薄い。勉強や仕事と同じで、嫌々やったり、無理してやらされていると感じると、効率が悪くなり、伸び代も小さくなってしまいます。
自分の体調や精神状態(内的要因)、天候や練習場所のコンディション(外的要因)は日々刻々と変化します。それらを柔軟に捉え、自分で前もって決めていた練習内容であっても、当日の体調やモチベーション、暑さ寒さの気候の変化によって臨機応変に調整することが大切です。練習はいつもフレッシュな状態でやるからこそ、パフォーマンスがアップするからです。
走りきった後の〝走快感〟を得るために毎回頑張って、毎回自分を追い込んで練習するのは、自己満足にすぎません。闇雲に頑張って練習すれば速くなるわけではないのです。そんなふうにして大勢の市民ランナーが故障に泣いています。頑張って練習した後の疲労回復に、もっともっと意識を注いでください。疲労抜きをなにより優先すべきなのです。
誰からも強制されず、自分が好きでやっているランニング。練習計画には臨機応変に調整や軌道修正ができる余裕を持ちましょう。その過程においてトライアンドエラーは付き物。いろんな失敗をして、そこから学ぶことが、後々大きな芽を出すこともあります。
「前もって決めた練習内容は絶対こなす」なんていう完璧主義でいくと、絶対に疲れてしまいます。だんだん疲労が蓄積し、伸び代が小さくなり、しまいには故障してしまうのです。
あなたはなんのために走っているのですか? もう一度、自分の目標を肝に銘じて、練習を「点」ではなく「線」で捉えるようにしてみてください。そうすれば、無理してでも練習内容をこなすなんて馬鹿な真似はしないようになるでしょう。
念を押しておきますが、疲労抜きジョグは疲れを取ることを意識しながら走ってください。何事もそうですが、意識するのとしないのとでは、効果に大きな違いがあるからです。
それではみなさん、サブスリーに向かって大好きなランニングを頑張りすぎないように頑張っていきましょう! 数ある本のなかから、私の本を手にとって読んでくださった人が、一人でも多く夢のサブスリーを達成して至福の感動を味わってもらうことを願ってやみません
(Takeこと田中猛雄より )
●貴方の年齢は何歳ですか?年齢に応じた効果的な練習をしていますか?●
「疲労抜きJOG」のスピードと時間は、年齢や、その時の体調によってスピードは全く変って来るものなのです。
今の自分の体調に素直に対話しながら気持ちを込めて丁寧に「疲労抜きJOG」をしていくことが大事なんです。
先日ケアにやってきた58歳のBさん、頑張る練習80キロ、抜く練習160キロ、月間走行240キロ位のメリハリのある練習をしているのに最近疲労が抜けなくて記録が全く伸びなくなったと言って知人から紹介されて当院にやってきた。(Bさんはまだ私の本は読んでないという。)
聞くとBさんは松本翔さんが書いた「(東大式)マラソン最速メソッド」の本をベースに練習をしているという。
松本翔さんのこの本、頑張る練習1、抜く練習2のメリハリ最重視の練習を提示している実に良書。
ただ、抜く練習2で推奨しているスピードがキロ5分半。
このキロ5分半のスピードは、この本を書いた時の松本翔さん年齢が28歳だから、それをベースの尺度として語られた訳なのだ。
58歳のBさんは28歳の松本翔さんが書いた本をそのまま鵜呑みにして、本に書いてあるスピードが抜く練習だと思ってキロ5分半でやっていたというわけだ。
28歳より30年も年長の58歳の普通のランナーが28歳と同じキロ5分半で疲労が抜けるわけがないのである。
ここで必要なのは、本を書いた著者の年齢を自分の年齢に置き換えて、自分なりに分析修正して、自分流にアレンジしていくことが大事。
30歳をベースとして考えてみると、今60歳の私の経験からいうと、疲労抜きJOGのスピードを1年で5秒プラスしていくというか、遅くしていくといい感じなんです。
つまり30歳でキロ5分30秒。40歳でキロ6分20秒。50歳でキロ7分10秒。60歳でキロ8分って感じでいくと、実にいい感じで疲労が抜けてくる感じなんです。
抜く距離でいうと、30歳で1対2。40歳で1対2.5。50歳で1対3。60歳で1対4。って感じでいくと、実にいい感じで疲労が抜けてくる感じなんです。
つまり抜く距離の方も60歳の私は1対4~5の感じなんです。
それだけやらないと加齢の為にもう疲労が抜けなくなってきているんです。
疲労抜きJOGは、その時の体調によってスピードは全く変って来るものです。
体調が良い時は速くなるし、悪い時は遅くなる。
睡眠不足や、飲酒明けの時や、ストレス等でイライラしている時は当然遅くなりますよね。
その体調時に、もし1,000mを全力で走るとして、走れるであろうタイムが一つの目安となります。
1,000mのMAXのスピードの約2倍位より遅いスピードが疲労が抜けて来易いと考えていけばいいでしょう。
つまり、その時の自分の1,000mのMAXが3分30秒であろうと考えるランナーなら、7分より遅いスピードが疲労が抜けてくる目安なんです。
あと…走行距離でいうと、頑張る練習が1、抜く練習が2.仮にトータル240キロとしたら、ハァハァ頑張る80キロがポイント練習、後の160キロはゆっくりと走って疲労を抜きながら地脚を造っていくということになります。
それにかかる時間でいうと頑張る練習が1、抜く練習が4以上ということなるんですが、詳しく書くとこれも年齢によって変わってくるんです。
この「疲労抜きJOG」の年齢における目安、かなりアバウトだな、ホントなのか?信じて大丈夫なのか?と捉える人もいるんですが、ずっと実践しているとかなりのジャストな精度みたいなんですよね。(私の42年間のランニング経験からきています)
逆にこのアバウトさが、堅苦しくなくて肩の力が抜けて妙にリラックス出来て「疲労抜きJOG」&「リハビリJOG」にはとてもいいのかもしれませんね(苦笑)